韓国と中国が政治的に対立するなか、韓国の文化コンテンツの中国進出の拡大や両国の大衆文化における協力の可能性について議論するフォーラムが、4日、北京で開催されました。
このフォーラムは、放送やゲーム、アニメ、ウェブトゥーン、ニューメディアなど、各分野の韓国企業26社が参加し、4日から6日まで開催される「コリア・コンテンツ・ウィークin北京」の一環として、韓国コンテンツ振興院と北京ビジネスセンターが主催して開催されたものです。
韓国コンテンツ振興院のチョ・ヒョンレ院長は、基調演説で、「過去10年間、韓中間の文化コンテンツの流通は持続的に増えてきた」としたうえで、「複雑な外交情勢のなかでも、韓中のコンテンツ交流が引き続き拡大することを願う」と述べました。
中国の国家文化発展国際戦略研究院の副院長は、「世界的に成果を出している韓国の大衆文化コンテンツと中国の巨大な市場が合わされば、シナジー効果を生み出せるだろう」と語りました。
そのうえで、「両国が協力し、東アジアの魅力を持った文化ブランドを育成し、世界で存在感を確立することを期待している」と述べました。
最近、両国間の大衆文化交流では、韓国のパク・チャヌク監督が手掛け、中国の女優、タン・ウェイさんが主演した映画「別れる決心」が世界的に好評を得たり、韓国のウェブトゥーン「ムーン・ユー」を原作とする中国のSF映画「獨行月球」が去年、中国国内で31億300万元の興行を記録したりするなど、協力の成果がみられるケースがありました。
ただ、韓中関係の悪化により、中国が韓国の文化コンテンツの流通を制限しているなか、「ザ・グローリー」や「イカゲーム」などの韓国の人気ドラマの海賊版の視聴が横行していて、こうした問題が改善されない限り、両国が今後も大衆文化における協力の成果を生み出すのは難しいという指摘も出ています。