ソウル市内を走るバスの労働組合と会社側との賃金をめぐる交渉が決裂し、組合は、予告通り、28日からストライキに入りましたが、同じ日の午後になって、組合側が当初の要求よりも格段に低い賃上げに合意し、バスの運行を再開したということです。ソウル市内のバス運転手によるストライキは12年ぶりです。
ソウルでバスを運行する64の会社に所属する運転手が加盟する「ソウル市内バス労働組合」は、去年の暮れから、会社側と賃金などをめぐる交渉を続けてきました。
組合側が、より条件のいい首都圏のほかの地域に人材が流出し続けるなかで、これ以上の流出を防ぐには、時給を12.7%引き上げることが必要だと主張する一方、会社側は、ここ5年間の物価上昇率と比較すると、賃上げの幅が大きすぎるとしていました。
労使は27日午後から最後の調停会議に臨み、調停期限の28日午前0時を過ぎても対話を続けましたが、溝は埋まらず、結局、組合側は交渉の決裂を宣言し、ストライキに入りました。
その後、28日の午後に、再度、ソウル市の仲裁によって労使の話し合いが行われ、組合側は、当初、要求していた12.7%のおよそ3分の1となる、4.48%のアップで合意しました。
ソウルでのバスのストライキは2012年以来、初めてです。