政府は、地方都市の病院でも応急処置や専門的な治療を十分に受けられるよう、来年から増員される医学部の定員の8割を首都圏以外に割り当て、地方の国立大学病院の競争力を強化する方針を示しました。
中央災害安全対策本部は14日、都市と地方の医療格差を是正するための対策を発表しました。
それによりますと、まず、地方の国立病院を所管する省庁を、今の教育部から保健福祉部に変えることで、国立大の付属病院の医師の数や人件費に関する規制を緩和するとしています。
現在、国立大学病院は教育部が管轄する公共機関という位置づけになっていて、医師の報酬の上限が決められているほか、医療スタッフの数を増やす場合も政府の承認を得なければなりません。
こうしたことから、国立大学病院と民間の病院との間で、報酬や労働環境面での格差が生じ、優秀な人材の確保が困難になっていると指摘されていました。
また、政府は、医学部の定員を来年から2000人増やす方針を掲げていますが、増員された医学部の定員を、首都圏に20%、それ以外の地域に80%の割合で配分することで、地方の医療を強化するとしています。
現在、全国40の医学部の定員は合わせて3058人で、このうち34%が首都圏、66%が首都圏以外の地方となっています。
来年から政府の計画通りに配分されれば、医学部の定員は首都圏が1435人、首都圏以外が3623人となり、首都圏以外が70%以上を占めるようになります。
保健福祉部の朴敏守(パク・ミンス)第2次官は、「どんな病気でも、地元の病院で最適の医療サービスが受けられるよう、地方の医療システムを強化していく。優秀な病院を育成することで、首都圏に患者が集中する今の状況を改める」と強調しました。
政府は、去年10月に、医療改革に向けた対策を発表し、地方の国立大学病院のレベルを、ソウルの主な総合病院並みに引き上げると表明していました。