韓国の作家、韓江(ハン・ガン)さんの小説が、フランスの4大小説賞のひとつとされる、メディシス賞の外国小説賞に選ばれました。この作品は、日本語で「別れは告げない」という意味のタイトルで、2021年に出版されたものです。
韓国人の作家がメディシス賞の外国小説賞を受賞するのは初めてです。
メディシス賞の審査委員会は9日、各部門のことしの受賞作を発表しました。
1958年に創設されたメディシス賞は、ゴンクール賞、ルノードー賞、フェミナ賞と肩を並べる、フランスで最も権威のある小説賞のひとつで、外国小説部門は1970年に創設されました。
「別れは告げない」は2021年に書かれた長編小説で、アメリカが軍政を敷いていた1948年に、軍などが済州島の住民数万人を殺害したとされる、いわゆる「済州4・3事件」を、3人の女性の視点から描いた作品です。
韓江さんは、2016年に、小説「菜食主義者」でイギリスの国際ブッカー賞を受賞しています。