IAEA=国際原子力機関は、北韓のウラン濃縮施設の増築工事が完成間近だと明らかにしました。
問題の核施設は、平壌の南東にある降仙(カンソン)団地と呼ばれ、アメリカ情報当局が古くから核施設とみなしてモニタリングを行ってきた場所で、平安北道(ピョンアンブクト)寧辺(ヨンビョン)の核施設と同様に、核弾頭用の核物質を生産できるとされています。
IAEAのグロッシ事務局長は3日、オーストリアのウィーンで開かれた定例の理事会で、「ことしの2月末に降仙核団地で核施設の工事が始まり、施設の面積が大きく拡大した」と説明しました。
今回の増築工事は、高濃縮ウランの生産に必要な遠心分離機を追加で設置するために行われたものとみられています。
アメリカのシンクタンク、ISIS=科学国際安全保障研究所は、降仙団地にはすでに数千台の遠心分離機があり、数年間にわたって稼働されたとみられることから、これまでにかなりの量の高濃縮ウランが生産済みだと推定しています。
金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は去年12月、朝鮮労働党の中央委員が全員参加する会議で、「核兵器の生産拡大」をことしの主要な国防目標として掲げていて、降仙団地の増築工事もその目標の一環として行われたものとみられます。