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ピープル

劇場「サンウルリム」の代表、イム・スジン

2016-11-01

若い文化と芸術の街と呼ばれるソウルの弘益(ホンイク)大学エリア。10月20日、ここ弘益大学エリアにある小劇場「サンウルリム」で特別なイベントが開かれました。今から31年前、1985年、劇団「サンウルリム」専用劇場として建てられた「サンウルリム」劇場の2階にギャラリー「アート・アンド・クラフト」を設け、美術作品と音楽などのコラボを通じて一つの空間で複数のジャンルの文化が楽しめる複合文化空間を作り出したのです。「サンウルリム」の変身を導いたのは、劇場の代表、イム・スジンさんでした。


「サンウルリム」劇場について簡単にご紹介しましょう。「サンウルリム」劇場は劇団「サンウルリム」の専用劇場です。1969年、劇団「サンウルリム」を創団したのは、演出家、イム・ヨンウンさん。現在、「サンウルリム」劇場の代表を務めているイム・スジンさんの父親です。今から31年前の1985年、イム・スジンさんの父親、イム・ヨンウンさんは家があった場所に劇場を建てたのです。劇団「サンウルリム」は挑戦を恐れず、演劇界が低迷期を迎えていた時期も、経済的に苦しかった時期も、海外の作品や韓国のオリジナル創作劇を舞台にのせるなど、果敢な試みを続けてきました。また、韓国の近代劇をリードし、多くの演出家や劇作家を輩出してきました。そして、劇団「サンウルリム」を支えてきたのが専用劇場「サンウルリム」劇場なのです。

31年間、「サンウルリム」劇場が歩んできたのは平坦な道ばかりではありませんでした。通貨危機などの影響で、「サンウルリム」も劇団と劇場の経営に苦しんでいた時期がありました。そんな時、アメリカで工芸家として活動していたイム・スジンさんが帰国します。2011年、20年ぶりにアメリカから帰ってきたイム・スジンさんは経営難に陥っていた「サンウルリム」を見捨てることができず、劇場の代表に就くことにしたのです。「サンウルリム」劇場の代表に就任したイム・スジンさんが最初に手がけたのは大々的な劇場の改築でした。古い椅子を取り替え、舞台と楽屋を修理する一方、さまざまな資料が積もっていた倉庫も整理しました。



劇場の経営を任されることになったイム・スジンさんは、観客にアピールできる劇場を作るため、さまざまな変化を試みています。その一つが古典文学をモチーフにした公演「サンウルリム古典劇場」です。古典文学を演劇舞台で面白く、親しみやすく演出してみたいと考えたイム・スジンさんは、若い演出家、若い劇団と手を取って、毎年、4つから5つの作品を舞台にのせようと努力しています。「サンウルリム」劇場の1年は古典文学をモチーフにした演劇で始まり、クラシック音楽で終わります。毎年12月、「サンウルリム」劇場の舞台ではクラシック音楽の演奏とともに手紙の朗読で音楽家の人生について語る「手紙のコンサート」が上演されています。世界的な作曲家の人生を紹介し、彼らが書いた手紙をモチーフにした演劇で、舞台では彼らの音楽も演奏されます。

イム・スジンさんが率いる「サンウルリム」劇場は、開館30周年を迎えた2015年、もう一つの変身に挑みました。劇場の2階にギャラリーと工房の機能を兼ねた複合文化空間「サンウルリム・アート・アンド・クラフト」をオープンしたのです。さまざまなジャンルのアーティストが作品を展示し、販売するギャラリーの裏には小さな工房も設けられています。観客は展示作品を鑑賞するだけではなく、工房を通してアーティストの作業過程や努力を垣間見ることができます。演劇も美術も音楽も、アーティストと観客がコミュニケーションすることで、作品は活気を帯び、新しいエネルギーを発することができると信じているのです。

複合文化空間に生まれ変わった小劇場「サンウルリム」。その変化を導いてきたイム・スジンさんは「サンウルリム」を通じて、より多くの人に日常を楽しくする芸術に触れてもらいたいと願っています。

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