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ピープル

大衆文化評論家、チェ・ギュソン

2016-10-25

高音質のデジタル音源が主流となった時代ですが、最近、そんな時代に逆行するようにアナログレコードの人気が高まっています。10月8日、ソウルの近郊、仁川市(インチョンシ)富平区(プピョング)ではアナログレコード・ファンのための特別なトーク・コンサートが開かれました。「韓国の大衆音楽、最初の記録」というタイトルで開かれたトークコンサートの主人公は、大衆文化評論家、チェ・ギュソンさんです。



1961年生まれ、今年55歳になったチェ・ギュソンさんが韓国の大衆音楽に魅了されたのは小学生の頃でした。それから50年あまりにわたってレコードや楽譜、本など資料を集めてきました。韓国最初のLPレコードから、去年発表されたチョ・ヨンピルのアルバムに至るまで、チェ・ギュソンさんが集めてきたレコードはざっと1万枚。2014年、チェ・ギュソンさんは1万枚のレコードから韓国の大衆音楽、歌謡界に大きな足跡を残した500枚を選んで、これらの歌にまつわる話を一冊の本にまとめました。韓流ブームを巻き起こしたK-pop、大衆歌謡に対する認識や評価が高まったことで、文化評論家、チェ・ギュソンさんに対する関心も高まっています。

韓国大衆歌謡研究所の代表、韓国最初の大衆歌謡博物館の試問委員、韓国大衆音楽賞の選定委員など、チェ・ギュソンさんはいろいろな肩書きを持っています。作詞家でも作曲家でもなく、歌手でもない大衆文化評論家、チェ・ギュソンさんは韓国の大衆音楽、歌謡曲のイメージを高め、より多くの人にその魅力を伝えていくために努力しているのです。



韓国の東部、江原道(カンウォンド)江陵(カンヌン)で生まれ育ったチェ・ギュソンさんがLPレコードに初めて触れたのは1973年の冬でした。友人の家で初めてLPレコードの音を聴いたチェ・ギュソンさんはその音に魅了され、LPレコードを集めはじめました。中学生の頃から軍隊に入るまでに、チェ・ギュソンさんが集めたLPレコードは4千枚あまり。ところが、兵役を終えて帰ってきた後、父親が経営していたレストランといっしょにLPレコードも売ってしまったという話を聞きます。あまりの失望感に、チェ・ギュソンさんは長い時間、LPレコードに目も向けませんでした。しかし、音楽は彼の運命だったのでしょうか。大学を卒業し、新聞記者になったチェ・ギュソンさんは文化部に配属されます。大衆文化関連人物をインタビューし、資料を見つけて記事を書くのがチェ・ギュソンさんに与えられた最初の仕事でした。韓国の大衆音楽、歌謡曲と自分とは切っても切れない関係だと考えたチェ・ギュソンさんは再びLPレコードを集めることにしました。チェ・ギュソンさんのコレクションにはLPレコードだけでなく、歌謡関連の雑誌や写真、ポスターなども含まれていました。こうして集めたレコードは1万枚、関連資料は10万点に達しました。

チェ・ギュソンさんのコレクションには、1958年、12インチ盤で制作された韓国最初のLPレコード「KBSレコードシリーズ」をはじめ、フォークソング、ヒッピー文化を映し出した音楽やロックなど、さまざまなジャンルの音楽を網羅しています。チェ・ギュソンさんのレコードを通して、韓国歌謡曲の移り変わり、その時代の文化とトレンドを知ることができるのです。

疲れた時も辛い時も歌を聴きながら、癒され、励まされたというチェ・ギュソンさんにとって、歌謡曲は人生を共にしてきた良きパートナーのようなものでした。そして、より多くの人と、そんな韓国の大衆音楽の価値と魅力を分かち合うために努力しているのです。

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