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ピープル

世界が認めた国楽ロックバンド、「ジャンビナイ」

2016-01-05

去年、2015年は、韓国にインディーズバンドが登場してから20年目になる年でした。この20年間、韓国では多くの個性あふれるインディーズバンドがデビューし、国内だけではなく、海外の舞台でも活動してきました。そんな中、韓国よりも先に、海外で注目されたバンドがあります。韓国の伝統音楽の国楽をクロスオーバーさせたロックバンド「ジャンビナイ」です。「ジャンビナイ」は夏に降る雨を意味する純粋なハングル語です。



「ジャンビナイ」は、大学で韓国の伝統音楽を専攻した男女3人が結成したインディーズバンドです。2012年にリリースしたファーストアルバムで、「ジャンビナイ」は国楽のチームとしては初めて韓国大衆音楽賞を受賞しました。さらに、世界的なロック・フェスティバルであるグラストンベリー・フェスティバルに韓国代表として参加し、2014年にはベルギー、オランダ、イタリア、ドイツなど14カ国、38の都市を巡るヨーロッパツアーを行いました。

「ジャンビナイ」のメンバー、イ・イル、シム・ウニョン、キム・ボミさんは、全員1982年生まれで、2009年にソウルの韓国芸術総合学校伝統芸術院を卒業しています。それぞれ、笛、琴の一種のコムンゴ、弓を使って演奏する奚琴(ヘグム)など韓国の伝統音楽、国楽を専攻した3人は、演奏活動をしながら、いつも大衆とコミュニケーションできないことに不満を感じていました。意気投合した三人は「ジャンビナイ」を結成しますが、伝統楽器の笛、コムンゴ、奚琴を調和させ、しかも大衆を魅了する音楽を見つけるまでには時間がかかりました。また、3種類の伝統楽器だけでは表現できる音楽に限界があり、音楽の幅を広げるため、ギター、チャルメラに似た太平簫(テピョンソ)、笙(しょう)シロフォン、トライアングルなどの楽器をマスターしました。6ヶ月が経った2010年、「ジャンビナイ」はデビュー曲「ナブラク」を発表します。



朝鮮時代の文士、ソンビの楽器とされるコムンゴの演奏にギターと奚琴の旋律をのせた曲「ナブラク」。最初の曲を誕生させ、勢いづいた「ジャンビナイ」は、次々と新曲を発表していきました。個性あふれる演奏で観客にアピールした「ジャンビナイ」は、本格的な活動を開始しました。ミニアルバムを発表し、2012年には「消滅の時間」という曲でミュージックビデオを制作しました。このミュージックビデオは動画共有ポータルサイト、ユーチューブを通じて紹介され、「ジャンビナイ」の存在を世界にアピールするきっかけとなりました。ユーチューブを通して「ジャンビナイ」の演奏に触れたオランダのエージェンシーは、2013年、フィンランドで開かれる音楽フェスティバル、ワールドビレッジ・フェスティバルに「ジャンビナイ」を招待しています。



フィンランド・ワールドビレッジ・フェスティバルを通じて世界舞台にデビューした「ジャンビナイ」。世界へ向ける彼らの挑戦はその後も続きました。ヨーロッパの各都市を巡回して開催されるワールドミュージックエキスポやロック・フェスティバルなどに参加した「ジャンビナイ」。韓国の伝統楽器で奏でるヘビーメタルサウンドは世界の音楽関係者に強烈な印象を残し、大勢のファンを魅了しました。情熱的な彼らの音楽はヨーロッパのファンにも通じました。2枚目のアルバムは、アジアのアーティストとしては初めて、イギリスのレコード会社「ベラ・ユニオン」を通じて世界にリリースされることになりました。韓国の国楽ロックバンドの実力が世界に認められたのです。

どこかで聞いたようで、どこでも聞いたことのない音楽。不協和音のようで、舞台と観客を一つにする音楽。これが、国楽に対する先入観と偏見、音楽のトレンドに流されることなく、黙々と自分たちの音楽を守ってきた「ジャンビナイ」の音楽です。そして、これが「ジャンビナイ」のこれからの活動、次の舞台が期待される理由にもなっているのです。


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