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ライフスタイル

モクバンにオンマたちはカンカン

#マル秘社会面 l 2023-12-13

玄海灘に立つ虹

ⓒ Getty Images Bank
日本でもそのまま使われている韓国語が最近は増えていますが、この言葉も日本でそのまま使われているようです。「モクバン」とは韓国語の먹는 방송、食べる放送を意味する言葉です。 日本のウィキペディアには「ユーチューブを通じてホストが視聴者と交流しながら大量の食べ物を食べるライブ形式のオンライン放送」と説明してありました。このモクバンに対して、オンマたちが怒っていると言います、なぜでしょうか。中学3年生の息子のいるお母さんは「うちの息子が家のご飯を食べようとしない。モクバンに出てくる料理の出前を取ろうと言ってばかりいる」と話します。
一方政府はユーチューブなどのオンラインプラットフォームで「술 방 スルバン」酒を飲みながらの放送が増えていることに対し、憂慮を示す意味からメデイアガイドラインの改正を進めています。それに対してスルバンだけでなく、モクバンも問題だと言う声が出ています。特にこのようなコンテンツをよく見ている子供たちを持つ、親の間からそのような声がでています。保健福祉部と韓国健康増進開発院は「メデイアの飲酒場面のガイドライン」の基準を10項目から12項目に増やしたと発表しました。ガイドラインには「飲酒行為を過度に美化するコンテンツは年齢制限などを通じて子供や青少年の接近を最小限化しなくてはならない」「警告文などで飲酒の有害性を示すべきだ」などの内容が含まれています。保健福祉部は「有名タレントやインフルエンサーが出てくるコンテンツに飲酒場面が数多く登場しているが、法的に規制することはできないものの、自主的な自制は要請する」という立場です。これに対してタレント側からも賛成の声がでています。コメデイアンのパク・ミョンスさんは自分のラジオ番組の中で「酒を飲んで放送すること自体まずあまり好ましくないだろう。酒を飲めば、その場の雰囲気もよくなり、率直な話が出てきたり、面白いエピソードも聞けるだろうが、青少年に影響を与える立場にある人間としては気を付ける必要があると思う」と述べています。
しかしこのような動きにも関わらず、相変わらずユーチューブを中心にモクバンコンテンツでは一日の摂取基準量を遥かに超えた大食い、暴食の場面が演出されています。また過度に苦かったり、辛かったりして味覚に苦痛を与える食品なども警告文なしに無防備に放送されています。それに対して子供のいるお母さんたちは「体に良くない食べ物を何十個も重ねて当然のように食べる姿を見て、子供たちが放送で食べているのだから自分たちが食べてもかまわないと考えてしまう」と心配しています。モクバンの視聴者には青少年が多く、彼らの食生活にも悪影響を与えているという調査結果も出ています。今年4月に疾病管理庁が発表した調査によれば去年全国800校の中高校生、約6万人を対象に実施した「2022年青少年健康形態調査」によれば青少年10人のうち4人が少なくても1週間に1回以上モクバンを見ていると答えていました。そしてモクバンを見ている中高校生の中で、週5回以上朝ごはんを食べないと答えた人が40.7%、モクバンを見ていない生徒の35%よりも多くなっており、夜食を食べていると答えた人も、モクバンを見ている生徒の方が多くなっていました。同様に週3回以上ファーストフード、甘い飲料、カフェイン飲料を飲んでいる人の割合もやはり多くなっていました。
評論家は「モクバンを見ることも中毒現象の一つという認識の転換が必要だ」と指摘しており、「親たちもモクバンに関心を持ち、できるだけ健康な食習慣を目指すようなコンテンツを探して共有すべきだ。コンテンツ製作者も大食い、暴食のモクバンはすでにありふれているので、むしろ健康を目指す新しいモクバンコンテンツの開発を勧めたい」としています。中学高校の青少年期は特に子供たちが良く食べる時期です。その時期に大食い、暴食のモクバンを見たら食欲がさらに増すのは当然でしょう。お母さんたちの心配もよく分かりますが、健全なモクバンというのは、なんだか面白く無さそうな気がするのは私だけでしょうか。

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