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ライフスタイル

第729話 日本との交流強化するサムスンと「承志院」

#アジュンマの井戸端会議 l 2023-10-24

玄海灘に立つ虹

ⓒ YONHAP News, Getty Images Bank
サムスン電子のイ・ジェヨン会長が、今月21日、サムスングループの迎賓館に当たる「承志院」で、日本との交流会を主宰しました。
この交流会は、LJF(Lee Kunhee Japanese Friends)と呼ばれる、日本企業の経営者らと行ってきたもので、今年は、TDK、村田製作所、アルプスアルパインなど日本の部品メーカー8社が参加しています。今は亡き先代のイ・ゴニ会長による、「奥さんと子供以外は全部変えよう」という呼びかけで知られる、1993年の新経営宣言と共に発足しました。故イ・ゴニ会長は、「日本は学ばなければならない対象であると同時に、勝たなければならない国」という信念を持っており、日本企業の競争力を強調していたそうです。そうして、「サムスン電子が繫栄するには日本の部品メーカーと緊密に協力しなければならない」ということで、協力のための集まりをつくることを指示したのが、LJFの始まりだったということです。

イ・ジェヨン会長は、会長に就任して10月27日で1年になりますが、それを記念する行事などは特になく、今回のLJF交流会が事実上の1周年記念行事と受け止められています。今年はLJFが発足してから30年となる節目の年であり、その節目の年に、イ会長がLJF交流会を初めて主宰したからです。ちなみに2019年にも主催していますが、そのときは、病床にあったイ・ゴニ会長の代わりを務めたものでした。記念すべき年の交流会が行われたのが、承志院(スンジウォン)です。

承志院は、もともと、サムスンの創業者、イ・ビョンチョル会長が住んでいたところでした。それを1987年、イ・ゴニ会長が受け継ぎ、執務室兼迎賓館に改築したものです。創業者の「志を継承する」という意味で名づけられました。その後、サムスンの重要な意思決定は、承志院で行われています。

サムスンとLJFの経営者らは、新型コロナの感染が拡大した2020年を除いては、毎年、互いの国の事業場を訪問し合い、技術面などの交流を行ってきたということですが、今年の韓国でのLJF交流会は、2006年以来17年ぶりに承志院で開催されたことに注目が集まっています。財界の関係者は、「サムスンの迎賓館は他にもあるが、イ・ゴニ会長の3周忌(10月25日)を前に承志院で交流会を開いたのは、父親の志を受け継いで、日本の部品・素材メーカーとの協力を強化し、草の根の交流を通じて両国の架け橋になるとの意思を示したものではないか」と話しています。実際、今年の交流会で歓迎の挨拶に立ったイ・ジェヨン会長は、「サムスンが今日のような超一流企業に成長するまで、日本の部品・素材業界との協力が大きな力になった」とした上で、「サムスンと日本の業界が未来の産業をリードしさらに大きな繁栄を享受するには、「「千里の道を共に歩む大切な友」のような信頼関係をこれからも維持していかなければならない」、「LJFの各社をはじめ日本の企業との緊密な協力が今後も必須だ」と強調し、日本の企業との協力を強化するという意志を明確にしたものと受け止められています。

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