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ライフスタイル

第727話 スパム、なぜ人気?

#アジュンマの井戸端会議 l 2023-10-10

玄海灘に立つ虹

ⓒ Getty Images Bank
今年は韓米両国が相互防衛条約に調印し同盟関係を結んでから70年の節目の年ということで、いろいろと記事が出ているのですが、スパムの話題もそのうちの一つです。
スパムとはアメリカのホーメル食品が開発したソーセージの一種で、「ランチョンミート」と呼ばれる、缶詰に入った食品のことです。

第2次世界大戦当時、アメリカ軍の戦闘糧食に採択されたことで、世界中に広まりました。韓国人は韓国戦争を契機に、当時のアメリカ軍を通じてスパムに接することになります。韓国に駐留していたアメリカ軍部隊から流れてきた、スパムを含むハムやソーセージをもとにつくられたのが「部隊(プデ)チゲ」です。料理評論家のユン・ドクノさんは、「戦争中には食べ物が足りないが、そのためにむしろ食べるものに敏感になり、食べることを重視するようになる」として、「戦争中で食材が圧倒的に足りない、ちゃんとした食材が手に入らない中で、ときに素晴らしい料理が生まれる」と話しています。

1987年5月からは、CJ第一製糖が、アメリカのホーメル食品と技術提携およびライセンスを取得し、韓国国内でOEMという形で直接生産、販売するようになります。それからは有名俳優やタレントがCFに起用され、スパムの知名度はますます上がりました。特に、2000年代初めに「白いご飯にスパム一切れ」というキャッチフレーズで流れた、MCのキム・ウォニが起用されたテレビ広告は大衆的にインパクトが大きく、2020年代に入ってからもこのキャッチフレーズが使われているほどです。他にも、俳優のキム・レウォンやハ・ジョンウ、エリック(シンファ)、イ・ソジンなどもスパムの広告に起用されています。

CJ第一製糖の関係者は、「スパムは発売されたその年に500トンが売れ、高い人気を得た」として、人気の要因としては、「ご飯のおかずにぴったりの味」「持ち歩きがたやすく食べやすい」「賞味期限が長い」ことなどを挙げています。

韓国でのスパムの売り上げは、1987年に70億ウォンだったのが1997年は520億ウォンと、10年間で7倍以上増えています。その後も2017年3300億ウォン、2018年4190億ウォン、2019年4200億ウォン、2020年4500億ウォンと着実に伸びています。スパムの人気でほかのメーカーからも似たようなランチョンミートが出ていますが、スパムが占めるシェアは2017年からこれまでで50%を超えており、圧倒的首位の座を誇っています。

健康重視の傾向が強くなっている中で、ジャンクフードのイメージがあるランチョンミートの人気が長い間根強いのはある意味興味深い現象です。このことについて、料理評論家のユンさんは、「キムチやチゲに多く入っているとうがらし粉のうまみとのバランスがよく、特に韓国のもちもちしたご飯によく合う」と話しています。CJ第一製糖では、健康志向に合わせて、市場シェア上位3つの製品の塩分の量を平均より25%以上減らした「スパム25%ライト」を2000年に売り出しました。ナトリウムや糖分など特定の成分をカットするニーズに合わせた製品を次々に開発しているということです。

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