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ライフスタイル

K-POP のアイデンティティは

#マル秘社会面 l 2023-09-20

玄海灘に立つ虹

ⓒ DR Music
K-POPとは何か。韓国のインターネット辞書には「大韓民国の大衆歌謡。英語のポピュラーミュージックとコリアの合成語」とあります。また日本のウイキペディアには「1990年代にコリアンポップスと呼ばれた韓国のダンスミュージックの通称。韓国はK-POPと言う用語をダンスグループだけに限定して使用している。またアイドルと呼ぶ場合もあるが、メンバーが音楽制作に参加する場合が多いため、アーティストという用語も使用する」との説明がありました。
K-POPのアイドルグループ、最初の頃は全員韓国人、あるいはいても在米韓国人か在日韓国人でした。それがその後、メンバーの中に外国人メンバーが含まれる多国籍化がどんどん進んできました。代表的なケースがTWICEとGOT7(ガットセブン)で、 TWICEはメンバー9人中4人が外国人(日本3人、台湾1人)でGOT7もメンバー7人中3人が外国人(アメリカ、香港、タイが1人ずつ)です。そして最近ではメンバー全員が外国人だというグループも続々と登場しています。2020年にデビューした5人組のガールズグループBLACKSWAN(ブラックスワン)は当初は韓国人メンバーがいましたが、その後、韓国人メンバーが全員脱退し、2022年に再デビューをした時にはメンバーは全員外国人となっていました。国籍も日系ブラジル人、ベルギー人、ドイツ人、インド人、アメリカ人ということで、まさしく多国籍です、彼女たちは韓国で活動するK-POPグループとして初めて外国人メンバーのみで構成されたグループとなりました。
このような傾向にファンの意見も様々です。
「K-POPグループなのに、半数以上が外国籍だなんて」「“K-POPグループ”を名乗ることに違和感がある」というように拒否反応を示すファンがいるかと思えば
「K-POPの事務所が主導し、K-POP育成システムを取り入れたグループならK-POPアイドルだ」と言う意見もあります。
一方でK-POP歌手のアイデンティティについて「伝統K-POP育成システムを経て、国内でデビューしたグループのこと」という考えも音楽業界では見られます。そして今度は「国内でデビューした、韓国人メンバーのいないK-POP歌手」という新しい概念が生まれようとしています。BLACKSWAN(ブラックスワン)がK-POPグループだと言う理由の一つは、彼女たちが韓国語の歌詞でできている歌を歌い、国内で活動しているからです。すでにデジタルアルバムも発売し、各種音楽番組にも出演しています。デビュー曲は韓国語の歌詞で出来てる「カルマ」という曲です。また海外メディアとのインタビューで「目上の人の前で足を組むのは行儀が悪い、尊敬語とため口の区分など、韓国の礼儀作法を学ぶのが難しかった」などと話しており、韓国メディアでは「まさにK-POP歌手だ」などと紹介しています。また外国人メンバーで構成されているので、海外からの反応が大きいものの、彼女たちはあくまでも国内中心に活動していくと語っています。活動の軸は韓国だということです。

ⓒ stb.entertainment
また先月30日、インドネシア人だけのガールズグループ「スタビ」が韓国デビューをしました。彼女たちはK-POPとインドネシアポップを結合した、ヒップホップ・ジャンルの曲を発表し、韓国での活動を始めました。「スタビ」はインドネシアのプロダクションの所属で2019年にデビュー、デビュー曲のミュージックビデオはユーチューブのアクセス数が300万回を超え、東南アジアを中心に大きな人気を得ています。そして今月8日、ソウル汝矣島で開かれた「アジアソングフェスティバル」で韓国デビューをしたものです。その他にも去年の3月には日本人7人で構成されたガールズグループXGが、去年の7月にはフィリピン人のメンバー7人で構成されたボーイズグループ「ホライズン」がそれぞれ韓国デビューを果たしています。
さらに今後は主に海外で活動する外国人K-POPスターも誕生しそうです。BTSの所属事務所HYBEは今年の11月までグローバル・ガールズグループ・オーデイション・プロジェクトを進行しています。このプロジェクトには、この2年間に全世界から12万人が参加し、デビュー後にはグローバルに活動していくとされています。イギリスのBBCとアメリカのCNNも外国人だけのK-POPグループ「ブラックスワン」について報道し、K-POPの定義とは何かについて論じていました。文化評論家は「韓国人が含まれないK-POPグループの登場でK-POP第3世代の時代が開けたと言える。その間、BTSなど韓国人メンバー中心のK-POPが海外市場で新たな歴史を築いて来た、今やK-POPの範囲は無限に広がったと言える」と述べています。BTSに熱狂した世界のファンたちにとって彼らの国籍など関係なかったのでしょう。同じようにこれからのK-POPアイドル、国籍も所属事務所も活動範囲も関係ないものとなっていくのでしょうか。

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