最近、韓国では、J-POPを聴く若者が増えています。

その人気は、日本のアーティストの曲が韓国最大の音楽配信サイト「Melon」のトップ100にランクインするまでになりました。そのアーティストとはimaseさん。imaseさんの「NIGHT DANCER」という曲が、「Melon」の海外総合のデイリーチャートで２位、トップ100の17位だと、４月12日から13日にかけて報じられていました。海外総合チャート（アメリカのポップス中心）でJPOPが２位をつけたのも最高記録ですし、TOP100入りしたのは初めてです。

imaseさんは2021年12月にメジャーデビューしていて、「NIGHT DANCER」という曲は去年８月に配信リリースしています。「Melon」のトップ100にランクインしたのは今年２月末のことで、当時は93位でした。この時点ですでにJPOPとしては初めて「Melon」のトップ100にランクインしたとして注目されましたが、その後どんどん順位を伸ばしたというわけです。

imaseさんの人気をリードしているのはミレニアル世代、Z世代と呼ばれている若者たちです。若い世代が、SNSを通じて新しい音楽に触れる機会が増えたことが人気の背景とみられています。「NIGHT DANCER」は、タイトルどおりダンサブルで洗練された楽曲で、SNSのTikTokや、インスタグラムのショート動画投稿機能「リール」でダンスチャレンジ（踊ってみたのダンス動画）を中心に人気を集めています。韓国の人気アイドルグループのStray KidsやIVEなども「NIGHT DANCER」のチャレンジの動画を投稿しています。SNSを通じて、新しい音楽としてJPOPに触れた世代が、彼らにお馴染みの韓国最大の音楽配信サイトにも、強い影響力を発揮したのでしょう。

韓国の若者を中心に、TikTokやインスタグラムの「リール」でダンスチャレンジが流行したJ-POPは、他にもあります。たとえば、あいみょんさんが2017年にリリースした「愛を伝えたいだとか」もそうです。BTSのSUGAさんは、2023年4月7日に公開された「Melon」のコンテンツ「アーティストは何を聞くの」で、「最近よく聞く曲」としてあいみょんさんのこの曲を紹介しています。あと、米津玄師さんの「Lemon」は、ユーチューブ音楽チャートの韓国の週間チャートTOP100に、今年１月初めから13週間連続でランクインしていました。

JPOPが韓国で人気がなかったわけではありません。1990年代から2000年代初め、半ばくらいまでは、日本のアニメの主題歌やOSTがよく聴かれていましたし、XJAPANも人気を博しました。ただ、いま韓国で人気があるJPOPは、当時とは異なり、シンガーソングライターの楽曲がほとんどです。ある大衆音楽評論家は、「韓国のＫPOPはアイドルのパフォーマンスとファンダム中心で動いている半面、JPOPはシンガーソングライターとバンドが中心になっている」として、「ＫPOPも多様性をもっと持つ必要があるのではないか」と指摘しています。