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文化

「サンリョンサン」ほか

#国楽の世界へ l 2023-10-10

国楽の世界へ

「サンリョンサン」ほか
秋になると、日射量が減って、幸せホルモンと言われるセロトニンの分泌が減るそうです。こんなときは、昼間日を浴びて、じっくり休むのが良いといいます。今日は、穏やかな音楽を選んでみました。最初は、笛ピリの独奏で、「サンリョンサン」という曲です。「ヨンサンフェサン」という組曲の中で、一番先に演奏する曲です。「ヨンサンフェサン」は、九の曲で構成され、ゆっくりの曲から始まって次第に速くなり、興が湧く音楽です。一人で演奏することもできますし、色んな楽器が合わさった合奏、または、一つや二つの曲だけを演奏することもできます。「サンリョンサン」は、穏やかに鑑賞する音楽で、独奏で演奏することが多い曲です。中でもピリの独奏を好む方が多いようです。力強く伸びる一方で柔らかいピリの音色が、秋空とよく似合います。

韓国の音楽は、大きく正楽(チョンアク、せいがく)と民俗楽(ミンソクアク、みんぞくがく)に区分されます。正楽は、ヤンバンのような上流階層が楽しんだ音楽で、ゆっくりのテンポで上品な音楽です。民族楽は、一般の民が楽しんだ音楽で、感情を率直に表現します。悲しい音楽はより悲しく、楽しい音楽はより楽しく歌います。先ほどの「ヨンサンフェサン」の最初の曲「サンリョンサン」は、正楽に分類されます。昔は、何人かが集まって、共に音楽を演奏し楽しむ、風流の部屋という意味の「プンリュバン」という空間がありました。歌曲(カゴク)というジャンルや「ヨンサンフェサン」のような室内楽を主に演奏したものです。このような音楽を風流音楽といいます。「ヨンサンフェサン」の演奏は地方でも楽しんだため、地域ごとに、または、誰が演奏するのかによって、リズムや音楽の構成が異なりました。「ヨンサンフェサン」は九曲だけを演奏するのではなく、後半では「千年万歳」という三つの組曲を続けて演奏することもあります。また、民族楽を演奏する人々は、「千年万歳」の後、「南道(ナンド)グッコリ」という音楽を続けて演奏しました。

今度は、水の中の竜が口ずさむ音という意味の、「スリョンウム」という曲です。韓国の伝統的な楽器のうち、センファンは唯一和音を演奏する楽器です。小さなボールのような形の筒に、長さが違う竹の棒をいくつか刺しておいた形の楽器で、まるで鳳凰の姿に似ているとも言われます。息を吹き入れると、竹の筒の中の鉄が響いて金属の音を出します。竹で作ったテグムやピリ、タンソのような楽器とは、全く違う音色です。昔の人々はセンファンの音を、鳳凰の鳴き声のようだと言いました。センファンとタンソを二人で演奏する形式を、楽器の名前から一文字ずつを取って、「センソビョンジュ、センソ併奏」といいます。今日はここに、重みのあるコムンゴの音色が加わった音楽をお楽しみいただきました。

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