パク・チャヌク監督作
2024-06-05
アメリカで中間選挙が終わりました。選挙の結果、上院を与党共和党が、下院を野党民主党が掌握する「ねじれ議会」となりました。
野党・民主党は、下院で8年ぶりに多数党に返り咲きました。下院には「予算案審議の優先権」があります。トランプ大統領は、順調な景気回復に向けて、大型減税や規制緩和を共和党の支持で押し切ってきましたが、今後は、下院がこれに抵抗して実行が難しくなるとみられています。下院の抵抗でアメリカ経済の成長が頭打ちになれば、世界経済にも悪影響を与える可能性があります。
一方で、通商政策では、民主党も伝統的に国内産業保護を重視しており、トランプ大統領の保護主義的な姿勢に拍車がかかる可能性もあります。これにより、米中の貿易紛争が長期化する可能性が高いというのが大方の見方です。米中貿易紛争により痛手を被ることが懸念されている韓国としては、うれしくないニュースです。IMF=国際通貨基金は、米中貿易紛争により、中国の経済成長率が1ポイント下がれば、韓国の経済成長率は0.5ポイント下がるという見通しを示しています。
一方で、アメリカが中国から輸入する製品に関税をかければ、韓国の輸出にはプラスになるという見方もあります。中国と競合する分野で、中国製品の価格が上がれば、韓国のアメリカ向け輸出は増える可能性があるからです。このほかにも、前向きな要因はあります。トランプ政権が大型減税などの刺激策を押し切れなくなると、インフレ率上昇の懸念が和らぎ、FRB=連邦準備制度理事会が利上げペースを緩める可能性があります。
「ねじれ議会」となったアメリカ議会が、トランプ政権とどのような関係を築いていくのかを見極めながら、必要な対策をタイムリーに講じていくことが課題となっています。
2024-06-05
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