尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は就任から2年を迎えて開いた会見で、「妻の賢明でない行動で、国民に心配をかけたことをお詫びする」と述べ、謝罪しました。 一方で、この問題を、検察から独立して活動する特別検察官が捜査することについては、否定的な姿勢を示しました。
尹大統領は10日で就任2年となるのを前に、9日に開いた記者会見で、自身の政策について、全体的な方向性とともに、デリケートな問題への対応など、自らの考えを説明しました。
さまざまな懸案のなかでも国内で関心が高いのは、金建希(キム・ゴニ)夫人がブランドバッグを不当に受け取ったという疑惑で、この件に関する記者からの質問に対して、「妻の賢明でない行動で、国民に心配をかけたことをお詫びする」と述べ、謝罪しました。
総選挙で圧勝した最大野党「共に民主党」は、新しい国会の会期が始まる今月末に、この疑惑を捜査する特別検察官を任命するための法案を国会に提出する構えです。
一方、検察は、今月3日、検察総長の指示のもと、担当チームを立ち上げ、この疑惑の捜査に本格的に乗り出しています。
尹大統領は、「検察の捜査について意見を述べるのは、捜査に何らかの影響を及ぼしたという誤解を招く恐れがあるため、言及は避ける。いずれにしても、公正で厳しい捜査が行われるだろう」と答えました。
ただ、特別検察官による捜査については、検察や警察といった、通常の捜査機関による捜査が公正に行われていない場合に限って実施されるべきだとして、反対する意向を明らかにしました。
最大野党「共に民主党」は、尹大統領の記者会見について、「自画自賛に満ちた会見だった。国民が求める、金夫人をめぐる特別検察官による捜査も、受け入れる意向がないことを明確にした」として、強く批判しました。
大統領夫人をめぐる収賄疑惑は、おととしの9月に夫人が、自身の事務所で、アメリカ在住の韓国人の牧師から300万ウォン相当のブランドバッグを受け取ったとされるものです。
韓国では、公務員やメディア関係者に対して、100万ウォンまでの贈答品を渡すことが法律で認められています。