イランによるイスラエルへの大規模な攻撃を受けて、大統領室は緊急の経済・安全保障会議を開き、韓国に与える影響や今後の対応を協議しました。
イランは13日、イスラエルに向けて多数の無人機やミサイルによる大規模な攻撃に踏み切りました。今月1日にシリアにあるイラン大使館が攻撃を受けたことへの報復だとしています。
イランがイスラエル領を直接攻撃するのは初めてで、中東情勢が一段と不安定になる可能性があります。
これを受けて、大統領室では14日、緊急の会議が開かれ、国際的な安全保障や経済の状況と、それらが韓国に与える影響を点検するとともに、対応策を協議しました。
会議で、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は、国際原油価格やエネルギーの需給、サプライチェーンなどについて徹底的に分析し、韓国経済に与える影響を注視しながら対応するよう指示しました。
中東諸国を中心に構成されるOPEC=石油輸出国機構は、世界の原油供給の30%近くを担っていて、中東情勢の悪化により中東の原油供給が不安定になった場合、原油価格が急騰する可能性があります。
なかでも、ペルシャ湾の唯一の出入り口であるホルムズ海峡を通って出荷される原油は、世界の原油生産量の5分の1にのぼり、イランがホルムズ海峡の封鎖に踏み切った場合、供給不安はさらに高まる懸念があります。
ただ、政府は、今回の事態が、韓国の金融市場などの短期的な動きに大きな影響を与える可能性は低いとみています。
外交部によりますと、イランには500人あまりの韓国人が滞在していますが、これまで韓国人の被害は確認されていないということです。