李在明(イ・ジェミョン)大統領は、来年度の研究開発予算をことしに比べて20%増やし、過去最大規模となる35兆3000億ウォンに拡大すると発表しました。
李大統領は22日、就任後、初めて開かれた国家科学技術諮問会議の全体会議で、「科学技術は国家の未来を決める核心戦略だ」と述べ、大規模な投資の必要性を強調しました。
とくに、AI=人工知能分野については「今後2年から3年がゴールデンタイムだ」としたうえで、「この時期を逃せば、永遠に追随者にとどまる可能性がある」と警告しました。
政府は、今回の予算拡大でAI分野への投資額をことしの2倍以上に増やし、地域経済の活性化や理工系の人材育成にも予算を拡大して投じる方針です。
来年度の研究開発予算案は、国会の審議を経て最終的に確定します。
国の予算全体に占める研究開発予算の割合は、2015年の5%水準から2024年には4%まで低下していて、とくに先の尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権が「ずさんな予算運用」を理由に大幅に削減したことで、研究の構造や若手研究者が大きな打撃を受けたと指摘されてきました。
一方、政府は今後5年間の経済政策として、AIを中心に据えた「技術先導型成長」によって停滞した成長エンジンを再稼働させ、世界をリードする経済への飛躍を図る構想も明らかにしました。
AIと超革新経済分野で30のプロジェクトを選定し、今年後半から直ちに推進します。
AIロボットや自動運転車、自動航行船など製造業への「フィジカルAI」の導入を進めるほか、公共部門でも福祉、雇用、税制管理にAIの活用を拡大していく計画です。
また、先端素材や再生可能エネルギー、グリーン水素、小型モジュール原子炉、スマート農業や衛星開発などの未来産業にも重点的に投資する方針です。
さらに、100兆ウォン規模の「国民成長ファンド」を創設し、企業や研究開発を支援するということです。
政府は、こうした戦略を通じ、現在1%台に落ち込んでいる潜在成長率を任期中に3%水準へ引き上げることを目標としています。