日本の石破総理大臣は15日の全国戦没者追悼式で、「戦争の惨禍を決して繰り返さない」と述べ、「あの戦争の反省と教訓を深く胸に刻まなければならない」と強調しました。ただし、日本が起こした侵略戦争や植民地支配の被害国には直接言及しませんでした。
首相の式辞に「反省」という言葉が盛り込まれたのは2012年以来13年ぶりです。2004年の村山総理大臣以降、19回連続で使われてきましたが、2013年に安倍総理大臣が外して以降は歴代首相が避け、これまで追悼式で「反省」を表明してきたのは天皇のみでした。
この日、徳仁天皇も「過去を顧み、深い反省の上に立って、再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願う」と述べ、前年と同じ表現を踏襲しました。
石破総理大臣は当初、戦後80年にあわせた談話の発表を検討していましたが、自民党内の保守派の反発で見送ったとされます。日本政府はこれまで「歴代内閣の歴史認識を継承する」との立場を一貫して表明してきました。
日本は、戦後50年の1995年以降、10年ごとに、終戦の日に合わせて首相談話を発表してきました。村山元総理大臣と小泉元総理大臣は談話の中で、植民地支配に対する謝罪と反省を表明しましたが、安倍元総理大臣は戦後70年の談話で「反省と謝罪を表明してきた」とし、過去形で扱っただけでした。