特別検察チームは、12日の尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の妻、金建希(キム・ゴニ)氏の拘束に続き、翌13日午前、最大野党「国民の力」の党本部に対して家宅捜索を行いました。
国会議員の事務所や自宅ではなく、最大野党の党本部に対して家宅捜索が行われるのは、尹前大統領夫妻に関連して進められている3件の特別検察官による捜査では初めてです。
特別検察チームは13日、ソウルの汝矣島(ヨイド)にある「国民の力」の党本部に検事や捜査官を派遣し、家宅捜索を実施しました。
特別検察チームは、金氏が、金氏の側近のチョン・ソンベ氏を通じて統一教会の信者らを党員として加入させるなど、「国民の力」の党代表選に介入した疑いで捜査しています。
このため、今回は、党員名簿や公認関連資料など、党内資料を対象にした捜索とみられています。
これに関連して、先月30日に拘束された世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の元幹部のユン・ヨンホ氏は、特別検察官の取り調べに対して、旧統一教会の韓鶴子(ハン・ハクシャ)総裁など上層部の承認を得て2021年から、「国民の力」の権性東(クォン・ソンドン)議員らに資金を提供していたと供述したとされています。
特別検察チームは先月18日に、権議員の自宅や事務所を家宅捜索していました。
これに対して、権議員は、「旧統一教会から一切の政治資金を受け取っていない」という立場を明らかにしています。
旧統一教会側も、「教団として特定の人物に違法な支援を行った事実はない」と否定しています。
一方、今回の党本部への家宅捜索について、「国民の力」の宋彦錫(ソン・オンソク)非常対策委員長兼院内代表は、「明白な野党弾圧だ。李在明(イ・ジェミョン)政権の支持率の下落を、特別検察官によって挽回しようとしている」と強く批判しました。