中南米を出発して釜山(プサン)新港に入った貨物船から、600キロにおよぶコカインが見つかり、検察と税関が押収しました。
これは、釜山港での麻薬摘発としては過去最大規模で、韓国国内でもこれまでで2番目に多い量です。
釜山地方検察庁の麻薬犯罪特別捜査チームと釜山本部税関は6日、合同記者会見を開き、ことし5月10日に入港したエクアドル発の定期貨物船のコンテナから、防水包装されたコカイン600キロを発見し、押収したと明らかにしました。
押収されたコカインは、市場価格でおよそ3000億ウォンに相当し、およそ2000万人が使用できる量と推定されています。
このコンテナは、アメリカ麻薬取締局(DEA)の情報提供により調査が行われ、コンテナのなかには、1キロずつ包装された白いブロック状のコカインの包み合わせて600個が入っていたということです。
検察と税関は、「今回摘発されたコカインは、韓国国内で流通する目的ではなく、他の国で回収される予定だったものだが、回収されず、釜山まで運ばれた可能性が高い」とみています。
実際、この貨物船は、エクアドルを出発し、メキシコ、ペルー、日本を経て釜山に寄港し、最終目的地は中国であることがわかっています。
専門家は、中南米の原産地での取り締まりが緩くなり、コカインの生産量が増加していること、釜山新港をはじめとする東アジアの港での定期船の物流量が増えていることが重なり、釜山港が麻薬密輸の経由地として注目されていると指摘しています。
なかでも、国際的な麻薬組織が東アジア地域を新たな販路として着目していることから、検察と税関は今後も、港湾での密輸に対する監視体制をさらに強化する方針です。