ことしだけで作業員が死亡する事故が4件も発生している「ポスコE&C」で、今月4日にまたもや作業員が意識不明となる事故が発生したことを受け、鄭熙珉(チョン・ヒミン)代表取締役社長が「責任を痛感する」として、辞任する意向を表明しました。
鄭社長は5日に行われた記者会見で、「相次ぐ人命事故に対し責任を痛感している」と述べ、「辞任が『体質の刷新』の出発点となることを願う」として、代表職から退く意向を明らかにしました。
「ポスコE&C」は、韓国の鉄鋼最大手「ポスコ」の持ち株会社、「ポスコ・ホールディングス」の建設子会社で、ことしだけで作業員の死亡事故が4件も発生しています。
ことし1月には、マンションの建設現場で作業員が墜落して死亡。4月には、新安山(シンアンサン)線の工事現場で崩落事故が起きたほか、別の複合住宅建設現場でも墜落事故がありました。さらに7月には、高速道路の工事現場で、作業員が機械に巻き込まれて命を落としました。
相次ぐ事故を受け、鄭社長は先月28日、全国103か所の建設現場で全面的な作業を一時中止し、安全点検を実施することを発表していました。
しかし、その直後の今月4日、ソウルと光明(クァンミョン)を結ぶ高速道路の工事現場の地下トンネルで、感電とみられる事故が発生し、ミャンマー国籍の30代の男性作業員が重傷を負って意識不明の状態に陥りました。
こうした事態を重く受け止めた李在明(イ・ジェミョン)大統領は6日、「ポスコE&C」で繰り返されている事故について、マニュアルが守られていたかどうか、また、事故を防ぐことはできなかったのかを、徹底的に調べるよう関係機関に指示しました。
さらに、建設業免許の取消しや公共事業の入札禁止といった法的措置も視野に入れ、厳正に対応する方針を示しました。