尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の妻、金建希(キム・ゴニ)氏が6日、特別検察に容疑者として出頭しました。金氏が出頭して報道陣の前に姿を現したのは、今回が初めてです。
金氏は午前10時10分ごろ、ソウルの光化門(クァンファムン)にある特別検察の事務所に到着し、「国民の皆様に、取るに足らない私がご心配をおかけして、心から申し訳なく思っています」と述べました。
記者団から「高級ネックレスやブランドバッグはなぜ受け取ったのか」といった質問が出ましたが、金氏はこれには答えず、そのまま調査室に入りました。
金氏は、2020年4月に知人が運営する自動車輸入販売会社「ドイツ・モーターズ」の株価操作にかかわったとされる疑惑などが浮上し、捜査対象となっていましたが、これまでは書面調査や非公開での訪問調査だけを受けてきました。
歴代の大統領の妻で、捜査機関から公開の呼び出しを受け、容疑者として出頭する様子が報道陣に公開されるのは初めてとなります。
特別検察は、これまで前大統領などを取り調べる際に行ってきた、応接室で歓談する「ティータイム」のような慣例を省き、午前10時23分ごろから本格的な取り調べを始めました。
金氏は今回の取り調べで、「ドイツ・モーターズ」の株価操作をめぐる疑惑をはじめ、公認候補選びへの介入疑惑、高級バッグやダイヤモンドのネックレスなどを受け取ったうえで、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)関連の案件に便宜を図るように依頼された疑惑など、あわせて16件の疑惑について、取り調べを受けているとみられています。