在韓アメリカ商工会議所と在韓欧州商工会議所が、下請け労働者の交渉権を強化し、労働組合に対する企業の損害賠償請求を制限する内容の労働組合法第2・3条の改正案に対し、懸念を示しました。
在韓アメリカ商工会議所は30日に声明を発表し、「この改正案は、韓国の経営環境と海外からの投資に否定的な影響を与える」として懸念を表明しました。
在韓欧州商工会議所も、「企業側の過度な労働規制により、韓国市場からの撤退を検討せざるを得ない」と指摘しました。
労組法第2・3条の改正案は、下請け労働者が元請け企業と直接交渉できるようにし、労組の争議行為に対する企業側の過度な損害賠償請求を制限する内容が盛り込まれています。
ILO=国際労働機関は、これまで複数回にわたり、韓国政府に関連法の改正を勧告していて、ヨーロッパの主要国は、韓国よりも広範な労働権を保障しています。
このため、一部では「労働権の保障水準が相対的に高いヨーロッパ系の経済団体が、韓国の実情を無視したダブルスタンダードを主張している」という指摘も出ています。
韓国政府と与党は、与党主導で国会環境労働委員会を通過したこの改正案について、今月4日の本会議での成立を目指します。
海外の商工会議所だけでなく、国内の経済団体もこの法案が通過すれば、造船業や自動車産業など韓国の主要産業で労使紛争が頻発する恐れがあるとして、慎重な対応を求めています。