仁川(インチョン)で60代の男が手製の銃で息子を殺害した事件で、男がユーチューブの動画を参考に銃を製造したことがわかり、模倣犯の拡大に対する懸念が高まっています。
警察が22日、明らかにしたところによりますと、殺人などの疑いで逮捕された63歳の男は、21日の取り調べで「ユーチューブで銃の製造法を学んだ」と供述したということです。
男は20日の夜、手製の銃を使って仁川市に住む33歳の息子を殺害した疑いが持たれています。
事件当日は男の誕生日で、息子は父親の誕生日を祝う会を開いた自宅で殺害されました。
当時、現場には息子の妻と子ども2人、知人なども一緒にいたということです。
警察によりますと、男は金属製のパイプを使って作った手製の銃で、BB弾程度の大きさの小さな弾丸が込められた「散弾」3発を連続で発射したものとみられています。
一方、男がユーチューブのコンテンツをもとに違法な武器を製造していたことが分かり、インターネット上に公開されている情報が、いつでも犯罪に利用されかねないという指摘が出ています。
実際に、ユーチューブをはじめとするオンラインプラットフォームでは、関連のキーワードを検索するだけで、さまざまな手製の銃の製造法や仕組みを解説した動画が容易に見つかります。
警察は以前、日本で安倍晋三元首相が、手製の銃で殺害された事件をきっかけに、模倣犯罪を防ぐため、ネット上の銃の製造法などに対する取り締まりを強化してきました。
現行法では、銃の製造法をネットに掲載した場合、3年以下の懲役または700万ウォン以下の罰金が科されます。
しかし、海外のプラットフォームに投稿されたコンテンツについては、投稿者の特定が難しかったり、制裁手段が整っていなかったりするため、実効性のある対処が難しいのが実情です。
専門家は、「デジタル時代に有害情報を根本的に遮断する手段はなく、違法な武器製造に関するコンテンツの監視・削除を担当する専門機関の設置が必要だ」と指摘しています。