気象庁が、16日から20日にかけて全国で降った記録的な大雨について分析したところ、「200年に一度」の規模だったことがわかりました。ただ、こうした豪雨は2020年以降、毎年のように繰り返されていて、気候変動に伴う「常態化した災害」として懸念が高まっています。
気象庁によりますと、忠清南道(チュンチョンナムド)瑞山(ソサン)では17日、1時間あたり114.9ミリの雨がおよそ3時間にわたって降り、1日の降水量は400ミリを超えました。
このような極端なゲリラ豪雨は、最近の5日間で全国10か所の地域で観測されました。
気象庁によりますと、こうした豪雨は2020年以降、毎年、発生しているということです。
実際に、過去50年間の統計に見てみますと、1時間あたり50ミリ以上の豪雨の発生回数は、1970年代には年平均8.4回でしたが、2020年代には23.6回と、3倍近くに増加しました。
専門家は「気候変動によって東アジア地域では前線型の降雨が増加しており、大気中の水蒸気量が増えたことで、同じ前線でもはるかに多くの雨が降る可能性がある」と指摘しています。
また、1時間あたり50ミリ以上の豪雨は、7月下旬から8月にかけて集中する傾向が強いということです。
気象庁は「7月よりも8月の方が、豪雨の発生頻度が2〜3倍高い傾向にある」として、梅雨明け後も、夏休みシーズンの山間部や渓谷地域では注意が必要だと呼びかけています。
気象庁は、今後もこのような気象異常が頻発すると予想していて、極端な気候に備えたインフラや安全対策の整備が急がれると強調しました。