全国で16日から降り注いだ猛烈な大雨により、韓国各地で大きな被害が出ています。中央災害安全対策本部によりますと、20日午後9時現在、18人が死亡し、9人の行方が分からなくなっています。
今回の大雨では、韓国中部にあたる忠清南道(チュンチョンナムド)や南東部の慶尚南道(キョンサンナムド)に被害が集中しました。特に慶尚南道・山清(サンチョン)郡では、5日間の累積雨量がおよそ800ミリを記録し、土砂崩れなどが発生、これまでに10人が死亡し、最も大きな人的被害が確認されています。
今回の豪雨により、道路の冠水や土砂の流出、河川施設の崩壊による公共施設の被害は1999件にのぼり、建物の浸水や農地の損壊などの被害も2238件に達しています。
また、避難を余儀なくされた住民は、全国15の市と道で9887世帯、あわせて1万4166人にのぼり、このうち、仮設住宅など政府の支援を受けているのはおよそ2000世帯となっています。
交通にも大きな影響が出ており、航空機62便が欠航し、一般国道が8か所で通行止めとなりました。鉄道では、首都圏・ソウルの北に位置する大谷(テゴク)と議政府(ウィジョンブ)を結ぶ郊外線が、線路への土砂流入の影響で運行を見合わせました。
こうした中、李在明(イ・ジェミョン)大統領は20日、被害の大きかった地域について、特別災害地域に速やかに指定するよう関係機関に指示しました。特別災害地域に指定されると、被災地の住民は、税金の減免や生活支援金の支給など、国からの財政的な支援を受けられるようになります。