尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領が去年12月に宣言した「非常戒厳」について、政府から独立して捜査する特別検察官のチームは2日、内乱に同調した疑いがあるとして、当時の韓徳洙(ハン・ドクス)前国務総理や安徳根(アン・ドックン)前産業通商資源部長官ら前政権の閣僚を2日、相次いで事情聴取しています。
特別検察官のチームは、尹前大統領の2回目の事情聴取を控え、非常戒厳宣言の直前に行われた閣議の状況を具体的に把握するため、捜査を本格化させています。
特別検察官のチームは、韓前国務総理や安前長官ら一部の閣僚が、非常戒厳の計画を事前に把握しながら、内乱を黙認または助長した疑いがあるとみています。
韓国の憲法では、非常戒厳を宣言する際には閣議での審議を経ることが義務づけられていますが、戒厳当時、閣議はわずか5分で形式的に終了し、実質的な審議がなかったとの指摘が出ています。
こうしたことから、特別検察官のチームは、非常戒厳が解除されたあと、遡ってその正当性を補強するための宣言文書が作成されたものの、最終的に破棄されたとみられる状況をつかんでいます。
韓前国務総理は、この文書に署名したとされており、あとから問題になることを懸念して、自ら破棄を指示したとみられています。
韓前国務総理は当時の状況を最もよく知る人物とされ、非常戒厳が宣言される直前に尹前大統領を説得して止めようとしたと主張しています。
一方、内乱の首謀者とされる尹前大統領は、5日午前9時に出頭し、事情聴取を受ける予定です。
特別検察官のチームは、もし尹前大統領が出頭しなかった場合には、再び逮捕状を請求することも排除しない方針です。