最近、インターネット上で北韓が核汚染水を韓半島西の海、西海(ソへ)に放出し、北韓に近い仁川(インチョン)江華島(カンファド)の海水浴場で放射線量が急増したといううわさが広がっているなか、韓国政府は、現地を調査した結果「異常は確認されなかった」と明らかにしました。
韓国の原子力安全委員会が1日、発表したところによりますと、「全国の放射線量をリアルタイムで監視した結果、すべて正常範囲内だった」ということです。
原子力安全委員会は、国内外の原発事故などの緊急事態に備え、全国244か所に環境放射線自動監視装置を設置し、平均15分ごとに測定を行っています。
これに先立ち、北韓専門メディア「デイリーNK」は先月初め、北韓黄海南道(ファンへナムド)の平山(ピョンサン)ウラン製錬工場の向かい側にある沈殿池が満杯状態になり、北韓が新たな排水路を設置して浄化されていない廃水を川に放出した可能性があるとする衛星写真の分析結果を公開していました。
これに対し、あるユーチューバーが携帯型放射線測定器を持って海辺を歩き回りながら「放射線量が高い」と主張する動画が拡散しました。
これを受けて、保守系野党「国民の力」は、「この廃水が漢江(ハンガン)河口や首都圏にまで影響を及ぼす可能性がある」として、政府に早急な調査と対策を求めていました。