最大野党「国民の力」は1日、新たな非常対策委員会を公式に発足させました。尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権発足以降では7番目となる非常対策委員会で、8月に予定されている党大会に向けて党を率いる臨時の指導部となります。
「国民の力」は先月30日、国会で議員総会を開き、金竜泰(キム・ヨンテ)非常対策委員長の退任により空席となった非常対策委員長に、宋彦錫(ソン・オンソク)院内代表を選びました。
宋院内代表は、議員総会直後、「今回の非常対策委員会は任期が短く活動には制約があるものの、党内で政策的な代案を提示できる意思決定機関になるべきだという意見で一致した」と説明しました。
新たに発足した非常対策委員会は、党大会の日程や運営ルールを定め「管理型非常対策委員会」の性格が強いものの、人選をめぐり、「改革とはほど遠い」とする懸念の声も上がっています。
とくに、尹前大統領に近い「親尹派」の支援を受けた宋議員が院内代表に選出されたのに続き、非常対策委員会も尹前大統領の弾劾に反対した旧主流派を中心に構成されることから、党内外から「革新を行う人物が見当たらない」との批判が強まっています。
一方、既得権の打破を掲げ、47日間にわたり党を率いた前任の金非常対策委員長は退任会見で、「既得権が党の没落を招いた」と厳しく批判しました。
党の革新度を「0点」と評し、「既得権が変化を妨げているようでは党に未来はない」として、引き続き改革の必要性を強調しました。
また、自身が提案した「候補者交代のための党務監査」など5つの改革案に対して、党の主流派が反発したことに対しても批判しました。
金前委員長は、党大会では出馬はしないものの、今後も改革のために取り組んでいく考えを示しました。