去年10月に北韓が「平壌に侵入した」と主張した無人機について、韓国軍が飛ばしたものだったとする軍内部の証言を入手したと、与党「共に民主党」の議員が公表しました。
北韓は去年10月、韓国の無人機が平壌上空に侵入し、ビラを撒いたと主張し、関連する写真も公開しました。
当時、韓国軍はこの件について「確認できない」との立場を貫いていました。
「共に民主党」の朴善源(パク・ソンウォン)議員は30日、この無人機が韓半島西の海、西海(ソヘ)の最北端に位置する白翎島(ペンニョンド)から韓国軍によって飛ばされたという軍内部の証言を入手したと明らかにしました。
とくに、ドローン作戦司令官が、幹部に直接電話をかけて作戦を指示したとする発言もあったということです。
さらに朴議員は、軍内部で組織的に隠ぺいしようとした形跡も確認されており、これに関与した幹部の名簿も確保したと主張しました。
これに対し韓国軍は、依然として「確認できない」との立場を維持しています。
尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権が戒厳令の発令を目的に、北韓の挑発を意図的に誘導したという疑惑は、これまでも提起されてきましたが、今のところ本格的な捜査が行われたことはありません。
尹前大統領は現在、「非常戒厳」宣言をめぐり、政府や検察庁から独立した特別検察官による捜査を受けていますが、北韓との対立を激化させて攻撃を誘発しようとした「外患誘致」の疑いについても取り調べを行うものとみられているため、今回の発表がどのような影響を与えるか注目を集めています。