紙ストローのみを使用してきた韓国のスターバックスが、7年ぶりにバイオマスのプラスチックストローの導入に踏み切りました。紙ストローはすぐにふやけるとの消費者の不満や、環境に本当に優しいのかという疑問の声が相次いだことが背景にあります。今後、業界全体にこの動きが広がるか注目されます。
韓国のスターバックスはこれまで紙ストローの使用を維持していましたが、今回、全国およそ200店舗でバイオマスのプラスチックストローの試験導入を始めました。新たに導入されたストローは、サトウキビなど植物由来の素材を原料としています。
スターバックスは2018年、環境汚染の原因となる使い捨てのプラスチックストローの使用を削減するため、韓国の食品業界としては初めて紙ストローを導入しました。
しかし、紙ストローの使い勝手の悪さを訴える消費者が少なくなかったほか、紙ストローが実際には一般ごみとして焼却処理されていることから、資源のリサイクルや環境への効果に疑問の声が上がっていました。
韓国政府も2022年11月からプラスチックストローの使用を禁止し、違反した際には過料を科す方針を示していましたが、2023年11月にはこの措置の指導期間を無期限で延長するとともに、カフェや飲食店での紙コップの使用禁止措置も撤回するなど、使い捨て製品に対する規制を緩和しました。
アメリカ環境保護庁は2020年、紙ストローの炭素排出量がプラスチックの5.5倍に上るとの研究結果を発表しました。
また、韓国の環境部も去年、紙ストローはかえって環境に悪影響を及ぼすとする内容の報告書を発表しました。
環境部は現在、バイオマスのプラスチック製と紙製ストローの環境影響評価を進めており、規制を継続するかについては来年初めに決まる見通しです。