李在明(イ・ジェミョン)大統領は23日、国防、統一、外交をはじめとする11の省庁の長官候補と、国務調整室長のあわせて12人に対する閣僚級人事を一括して発表しました。
このうち、国防部長官候補には、与党「共に民主党」の安圭佰(アン・ギュベク)議員が指名されました。大統領室は、安議員について、「国会国防委員会の幹事や委員長を務めるなど、軍事政策に精通しており、非軍人出身として軍の改革を主導する役割が期待される」と説明しています。
李大統領は大統領選挙中、「国防部長官は非軍人が務めるべき」との考えを示しており、安議員が就任すれば、1961年の軍事クーデター以降、初めての非軍人出身の国防部長官となります。
統一部長官候補には、鄭東泳(チョン・ドンヨン)議員が指名されました。鄭議員は、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代に統一部長官を務め、南北の経済協力事業である開城(ケソン)工業団地の設立を主導した実績があります。2007年には、「共に民主党」の前身である「大統合民主新党」の大統領候補にもなりました。
一方で、李政権ではすでに国家情報院長に、同じく盧武鉉政権で統一部長官を務めた李鐘奭(イ・ジョンソク)氏を指名しており、南北関係をめぐる主要ポストがいずれも融和的な「ハト派」人事で占められていることから、一部では北韓政策のバランスに懸念の声も出ています。
外交部長官候補には、趙顯(チョ・ヒョン)元第一次官が選ばれました。趙氏は国連韓国政府代表部大使を歴任し、文在寅(ムン・ジェイン)政権で外交部の第2次官、そして第1次官を務めたキャリア外交官で、長年にわたる国際交渉の経験が評価されています。
今回の人事ではこのほか、科学技術情報通信部、環境部、女性家族部などを含む11の省庁の長官候補に、国務調整室長を加えたあわせて12人が一括して発表され、李大統領の政策遂行に向けた政権体制づくりが本格化しています。