G7サミット=主要7か国首脳会議の日程を終えて帰国した李在明(イ・ジェミョン)大統領が、内閣人事に本格的に着手するもようです。
李大統領は19日、国務総理に指名した金民錫(キム・ミンソク)候補の人事聴聞会など人事案件に関する報告を受け、閣僚候補に対する検証に着手するとみられます。
李大統領は就任直後、金候補を指名したあと、追加の閣僚人事には慎重な姿勢を取り、企画財政部や外交部、産業通商資源部など次官級人事のみを行い、実務責任者の補強にとどめました。
大統領室は、主な公職者を対象にした国民推薦制度の受付が16日に締め切られたことを受け、今後検証を経て内閣の構成に向けた作業を加速する方針です。
李在明政権の閣僚のうち、唯一任命手続きが進められている金候補に対する人事聴聞会は、24日から25日にかけて行われます。
最大野党「国民の力」は、金候補が違法な政治資金の提供者と金銭取引を行った疑惑や財産形成の過程などを問題視し、候補者指名の撤回を求めています。
また、金候補の息子が高校時代のクラブ活動で作成した法案が与党「共に民主党」の議員によって実際に発議され、これを大学入試に活用して父親の関係を使ったという疑惑も浮上しています。
これに対し金候補は、自身に対する疑惑は「検察の特定の人間を狙った捜査と不正な協議によるもの」だと反論し、息子に関する疑惑については「法案の発議を入試に活用していない」と説明しました。
李大統領は16日、G7サミットが開催されたカナダに向かう大統領専用機で、金候補に関する疑惑について「聴聞会の過程で十分に説明できると考えている」と述べており、任命を強行するとの見方が出ています。
政界では、金候補に対する国会の人事聴聞会が終わったあと、李大統領が閣僚候補の人選を進めるとの見方が出ています。閣僚の任命・推薦権を持つ国務総理を正式に任命したあと、閣僚人事を進めるのが手続き上適切だということです。
大統領室の関係者によりますと、19日に内閣人事を発表する予定はないということで、検証が終わり次第、優先順位が高い省庁から順次発表する予定だということです。