韓国は、国民生活に欠かせない衣食住関連の生活物価が、主要国に比べて非常に高く、消費回復の足かせとなっていることが韓国銀行の分析でわかりました。
韓国銀行が発表した「最近の生活物価の動向と水準評価」によりますと、コロナ禍の2021年からことし5月までの必需品中心の生活感覚に近い生活物価の累積上昇率は19.1%で、消費者物価の上昇率15.9%より3.2ポイント高くなっていました。
また、OECD=経済協力開発機構の平均物価を100とした場合、おととしの時点で、韓国の食品は156、衣料は161、住宅費は123と、いずれもOECDの平均を大きく上回っていました。
韓国銀行は、生活物価が高い要因として、ロシアとウクライナの間の戦闘や天候不順などでエネルギー価格や食品価格が高騰したこと、為替レートの累積上昇分が時間をおいて加工食品の価格にも反映されたことなどを挙げています。
このような物価の上昇は、体感物価を押し上げ、消費を冷え込ませる原因になっています。
実際に2021年以降、家計の名目購買力が高い物価上昇率を打ち消すほどには増加しておらず、2021年からことし3月までの平均実質購買力は、以前に比べて低下していました。