首都ソウルと地方の住宅価格の二極化が、主要国のなかで非常に深刻な水準であることがわかりました。
韓国銀行が18日に発表した報告書「物価安定目標の運営状況点検」によりますと、コロナ禍以降、全国の住宅価格の上昇幅は限定的でしたが、ソウルの住宅価格は世界の主要都市に比べて上昇幅が非常に大きかったということです。
2013年12月からことし5月までの間のソウルと全国の住宅価格の上昇幅の格差は69.4ポイントでした。
ほかの国は、中国が49.8ポイント、日本が28.1ポイント、イギリスが19.1ポイントと、韓国を大きく下回っています。
住宅価格の二極化は、2016年以降、年々深刻化し、コロナ禍からの回復局面では一時的に鈍化しましたが、おととし以降、再び拡大傾向にあります。
これは、ソウルの住宅価格が上昇を続けている一方で、首都圏以外の広域市ではおととし以降、下落が続いているためです。
住宅価格の二極化は、首都圏と首都圏以外の経済力の格差の拡大や、首都圏への人口集中といった構造的要因に加え、これまで住宅景気へのテコ入れ策が重なった結果と分析されています。
また、2017年以降、首都圏と首都圏以外の就業者数の格差が拡大し、若年層が首都圏に集中したことも住宅需要の偏りをさらに加速させました。
これに対して首都圏以外では、若年層の流出により急速な高齢化が進み、住宅需要が減っているにもかかわらず、建設業界への支援策により供給が拡大し、住宅供給の過剰につながったとされています。
韓国銀行は、「地域間の住宅市場の二極化が、居住費などの地域間格差、建設景気の長期低迷、マクロ的には健全性リスクの増大として現れている。家計融資の首都圏への集中を抑制する短期的政策と、首都圏以外に活力を吹き込む構造改革を並行して進める必要がある」と強調しました。