李在明(イ・ジェミョン)大統領は12日、2000年6月15日に行われた南北初の首脳会談と南北共同宣言から25年となるのに合わせて、「南北が争う必要のない確固たる平和を築いていく」と述べ、南北の対話ルートを早急に復元する方針を示しました。
李大統領はこれを前にした11日、韓国軍が南北軍事境界線付近で行ってきた北韓向けの拡声器による宣伝放送を停止するよう指示しています。
李大統領は12日に開かれた「6.15南北首脳会談25周年記念式」に寄せた祝辞のなかで、「残念ながらこの3年間、韓半島の時計の針は南北首脳会談前の冷え込んだ時代へと急速に逆戻りした。南北関係は断絶し、冷戦時代を思わせるほどに軍事境界線付近の地域で緊張が高まっている」と指摘しました。
これは、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前政権下で再開された北韓向けの拡声器による宣伝放送などにより南北間の緊張が高まった状況を念頭に置いた発言とみられています。
李大統領はまた、「平和な韓半島をつくることは新政権にとっての重要課題だ。平和が揺らげば経済も安全保障も日常生活も揺らぐというのは歴史の教訓だ」と強調しました。
さらに、「平和・共存・繁栄の韓半島を実現するため、あらゆる努力を尽くす。南北が争う必要のない確固たる平和を築いていく。消耗的な敵対行為を中止し、対話と協力を再開する。敵対と対立を和解と協力へと切り替え、韓半島の軍事的緊張の緩和と平和ムードづくりに努める」と語りました。
李大統領は、「偶発的な衝突を防ぎ、緊張を高めない危機管理体制を一刻も早く回復する」として、南北の対話ルートの早急な復元に向けて取り組む方針を示しました。