李在明(イ・ジェミョン)大統領は12日、去年12月3日の非常戒厳の発令により罷免された尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の内乱罪容疑や、夫人の金建希(キム・ゴニ)氏をめぐるさまざまな疑惑などを捜査する特別検察官を任命しました。
来月から尹前大統領夫妻に対する本格的な捜査が始まる見通しです。
李大統領の就任2日目の今月5日、国会は本会議を開き、これらの疑惑の捜査に向けて、それぞれ特別検察官を任命するための3つの法案を「共に民主党」主導で可決しました。また李大統領は10日に開いた閣議で、李政権初の法案として議決しました。
与党「共に民主党」と野党「祖国革新党」は12日、特別検察官の候補者を推薦し、大統領は12日夜に任命しました。
特別検察官の候補者の推薦は、関連法令にもとづき、最高裁長官にあたる大法院長ではなく、大統領が国会に依頼しますが、「尹前大統領が所属していない交渉団体に候補者の推薦を依頼する」と定められていることから、「共に民主党」と「祖国革新党」によって行われました。
両党は、推薦した候補者について「法曹界、学界など幅広く推薦を受け、『内乱の清算』を求める国民の意志と一致し、その意志を実現するための捜査能力も備えている」と評価しています。
3つの特検法のうち、まず「内乱特検法」では、尹前大統領の去年12月3日の非常戒厳の発令に関連する内乱・外患誘致行為など、合わせて11件の疑惑が捜査されます。
「金建希特検法」では、金建希氏に関する高級バッグ収賄疑惑や、株価操作、政治ブローカーの明泰均(ミョン・テギュン)氏が関与したとされる公認介入・違法世論調査疑惑など、合わせて16件が捜査対象に含まれています。
そして「殉職海兵隊員特検法」は、行方不明者の捜索作戦中に発生した海兵隊員の死亡事故をめぐる経緯や、尹前大統領らによる捜査妨害疑惑を対象としています。
特検法ごとに、捜査チームの編成など最大20日間の準備期間を経て、来月初めから捜査が本格化する見通しです。
それぞれに派遣される検事の規模は、「内乱特検法」が60人、「金建希特検法」が40人、「殉職海兵隊員特検法」が20人で、最大120人となります。