アメリカのトランプ大統領が北韓の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長に親書を送ろうとしたものの、北韓側が受け取りを拒否したとする内容をアメリカのメディアが報じました。これについてホワイトハウスは、いかなる反応も示していません。
アメリカの北韓専門のニュースサイト「NKニュース」は、匿名の高官の話として、トランプ大統領が米朝対話の再開に向けた親書を作成し、北韓側に複数回にわたって伝達しようとしたものの、ニューヨークにいる北韓の外交官らが受け取りを拒否したと伝えています。
この外交官とは、アメリカと北韓との間で直接の外交ルートが限られているなか、貴重な対話の窓口となってきた北韓の国連代表部の職員を指すとみられます。
トランプ大統領と金委員長は、トランプ第1期政権時代、実務レベルの交渉が行き詰まるたびに親書を交わしてきました。二人は、あわせて25通もの親書で打開策を模索してきた経緯があります。
ホワイトハウスは、こうした報道について「親書のやり取りに前向きな姿勢を持っている」とした一方、報道の内容については明言を避けました。
今回の報道が事実であれば、北韓側は第1期政権時代のトランプ大統領との交渉に不満や失望を抱いていたとみられ、納得できる条件が整うまでは、対話の再開を慎重に見極める可能性があります。