韓国政府は、夏の時期に新型コロナウイルス感染症が再び拡大するおそれがあるとして、リスクの高い子どもや高齢者に対してワクチン接種を呼びかけています。
疾病管理庁の池栄美(チ・ヨンミ)庁長は10日、呼吸器感染症に関する関係省庁会議で「現在、韓国国内の新型コロナの感染状況は安定しているものの、近隣諸国の発生動向や去年の流行状況を考慮すると、夏に流行する可能性を排除できない」と述べました。
高温多湿の環境にもかかわらず、室内は密閉されていることが多い夏場。エアコンの使用で空気が乾燥するうえ、冷房によって免疫や呼吸器の防御機能が低下するため、ウイルスが拡散しやすくなるということです。
疾病管理庁の分析によりますと、感染者が短期間で急激に増加する可能性は低いものの、6月下旬以降に感染者数の増加が見込まれるということです。
去年も7月下旬から感染者数が急増し、8月第3週目には1日当たり1441人の感染者が確認され、ピークを迎えました。
国内にある221か所の指定医療機関の入院患者数は、5月末の時点で105人と、この4週間で大きな変化は見られていません。