中国の習近平国家主席は4日、韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領の就任を祝う祝電を送り、両国関係の重要性を強調しました。
中国の国営通信社、新華社通信によりますと、習主席は祝電の中で、「中国と韓国は重要な隣国であり、協力パートナーだ」としたうえで、「両国は国交を樹立してから33年間、イデオロギーや社会体制の違いを超えて手を携えて共に成果を上げ、両国関係の平穏かつ健全な発展を実現した」と述べました。
さらに「両国民の福祉を増進しただけでなく、地域の平和と安定、発展と繁栄にも前向きな貢献をした」としたうえで、「中韓関係の発展を非常に重視している」と強調しました。
また「現在、世界では100年に一度の変化が加速しているなか、国際情勢と地域情勢の不確実性が高まっているが、世界と地域の重要な国として、中国は韓国と共に国交樹立の初心を守るとともに、善隣友好の方向性を堅持し、互恵の目標を貫いていく」と述べ、韓国との戦略的パートナーシップの発展に向けて取り組む意向を示しました。
韓中関係は、2016年にアメリカの高高度迎撃ミサイルシステム「サード(THAAD)」の韓国への配備が決まって以降冷え込みましたが、文在寅(ムン・ジェイン)政権で一定の修復が見られ、その後、尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権では韓日米3か国の協力が強化され、再び冷え込みました。
しかし、中国への強硬姿勢を示しているアメリカの第2次トランプ政権の発足と前後して、中国はアメリカの同盟国である韓国との関係改善に積極的な姿勢を見せました。
中国は去年11月、韓国人の短期滞在ビザを一時的に免除したほか、ペルーでのAPEC=アジア太平洋経済協力の首脳会議で、2年ぶりに韓中首脳会談も実現しました。
ことし2月には、尹大統領による「非常戒厳」宣言やその後の弾劾審判などで韓国の政局が混乱しているなか中国を訪問した禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長を首脳級の待遇で迎え、11月に慶州(キョンジュ)で開かれるAPEC首脳会議を機に韓国を訪問する方向で検討を進めていると明らかにしました。