李在明(イ・ジェミョン)大統領による新政権は、国会で圧倒的多数を占める「共に民主党」が支える「与党優勢・野党劣勢」の構図となる見通しです。主な法案や人事に迅速に取り組める環境が整い、初期の国政運営に弾みがつくと予想されます。
「共に民主党」は現在、国会で171議席を占めており、祖国革新党や進歩党などを含む与党系勢力は190議席に達します。
国会の定数300議席のうち、過半数の150議席を超えているため、予算案や一般法案、国務総理の任命同意案などは、野党の賛成がなくても処理できます。
特に、国務総理の任命は国会の同意が必要となりますが、現在の議席数で、単独での任命が可能です。
また、長官の任命は、人事聴聞会を経る必要がありますが、国会の同意がなくても大統領の権限で任命することができます。
圧倒的多数を占める議席数をもとに、政府組織の改編も円滑に進められる見通しです。
ただ、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の罷免に伴って実施された大統領選挙によって発足した新政権は、次期政権への移行を準備する大統領職引き継ぎ委員会の設置を経ないため、2017年の文在寅(ムン・ジェイン)政権と同様に、別途機関を設けて初期の国政運営における混乱を最小化する方針です。
当時の文政権は、引き継ぎ委員会の役割を果たす国政企画諮問委員会を設置し、「5か年計画」と「100大課題」を策定しましたが、李大統領も同様のやり方で進める方針です。