韓国、日本、アメリカなどの主導で発足した、北韓に対する国連制裁の違反を監視する新組織の多国間制裁監視チーム(MSMT)が、発足7か月で「武器移転を含む北韓とロシアとの間の不法な軍事協力」をテーマに、第1回の報告書を公表しました。
多国間制裁監視チームは、ロシアが拒否権を行使して去年4月末で活動を停止した国連安全保障理事会の北韓専門家パネルに代わる組織として去年10月に発足しました。
報告書によりますと、ウクライナに対する戦争の支援として、ロシアが北韓に対し、少なくとも1台以上の防空システムを搭載した戦闘車両を提供したということです。
ロシアが北韓に移転した武器の種類が公式確認されたのは、今回が初めてです。
報告書では、ロシアが北韓の弾道ミサイルのデータをフィードバックすることによって、北韓の弾道ミサイル開発計画を支援したことも明らかになりました。
また、2024年11月以降、ロシアは北韓に短距離防空システムや電波妨害機器を含む高度な電子戦システムとその運用知識を提供したとされています。
一方、今回の報告書には、北韓がロシアに提供した武器の種類についても詳細に記載されています。
報告書は、北韓は、2023年9月からロシアにコンテナ2万個分に相当する砲弾と関連物資を提供したと指摘しました。
特に、去年はロシアの貨物船で49回にわたって砲弾や放射砲弾およそ900万発と200台以上に上る、3個旅団分の重砲が移転されたということです。
韓国、日本、アメリカをはじめ、イギリス、フランスなど11か国は共同声明を発表し、北韓とロシアによる対北韓制裁違反を強く非難しました。
*2025年6月3日修正*