大統領選挙まで残り8日となる中、各候補は勝敗の鍵を握るとされる首都圏での支持獲得に全力を挙げています。
最大野党「共に民主党」の前代表、李在明(イ・ジェミョン)候補は26日、自身の政治的地盤である京畿道(キョンギド)南部を訪れ、大学生との懇談会で若者の悩みに耳を傾けました。続いて、水原(スウォン)での集中遊説では、地元とのつながりやこれまでの行政経験を強調し、さらに龍仁(ヨンイン)や南楊州(ナミャンジュ)にも足を運び、首都圏の中道層に支持を訴えました。
李在明候補は、外交・安全保障分野の公約として、「韓米同盟の強化」と「先端技術を備えた強固な軍の育成」を掲げています。
一方、党内で議論を呼んでいる「大法官の増員と資格要件の緩和」を盛り込んだ法案については、党の立場としていったん撤回する方針を示しました。ただし、司法改革そのものについては、長期的な課題として今後も取り組む考えを示しています。
この法案には、日本の最高裁にあたる大法院の判事を最大100人まで増やし、法曹資格のない人物も任命できるようにする内容が含まれています。
党内の一部議員は、この法案について「エリート中心だった大法院の構成を多様化し、社会の多元的価値を判決に反映させるのが狙いだ」と説明しています。しかしその一方で、法曹資格を持たない人物の任命を認めることには慎重な意見もあり、「国民の意思とかけ離れた提案は避けるべきだ」といった声が党内でも上がっています。
一方、与党「国民の力」から立候補している前雇用労働部長官の金文洙(キム・ムンス)候補は、中部の忠清道(チュンチョンド)で地方分権の強化を訴えたあと、京畿道南部に移動し、市民に対して自身の政策や実績をアピールしました。
こうした中、注目を集めているのが、保守系候補の一本化の可能性です。
保守系野党「改革新党」の元代表、李俊錫(イ・ジュンソク)候補は、23日に行われたテレビ討論で、金文洙候補との候補一本化について「その考えはない」と述べ、出馬継続の意志を強調しました。それでも、両候補による今後の動向には依然として関心が集まっています。
最近の世論調査では、金文洙候補と李俊錫候補の支持率を合わせると、李在明候補に迫る勢いとなっていて、今後の選挙戦の行方を左右する最大のポイントになるとの見方も出ています。
韓国ギャラップが今月20日から22日にかけて、全国の18歳以上の1007人を対象に行った世論調査では、李在明候補が45%、金文洙候補が36%、李俊錫候補が10%という結果で、金文洙・李俊錫両候補の支持率を合算すると46%となり、李在明候補を上回る数字となっています。