韓国南西部・光州(クァンジュ)にあるタイヤ大手、クムホタイヤの工場で発生した大規模な火災は、発生から3日、76時間後の20日正午前にようやく鎮火しました。
火災は17日午前7時ごろ、タイヤの原材料を精製する工程で発生し、工場内の産業用オーブンから飛んだ火花が出火原因とみられています。火は急速に燃え広がり、現場には可燃性の物質が多く残されていたため、残り火の処理にも手こずりました。このため、国家消防動員令が発令されるなど、大規模な消火活動が展開されました。
工場がある光州市・光山(クァンサン)区の区役所によりますと、これまでに寄せられた被害の届け出は1236件にのぼり、このうち頭痛や吐き気など、周辺住民の健康被害が603件と、全体の半数近くを占めています。負傷者としては、工場の従業員1人と消防隊員2人が確認されています。
特に被害が大きかったのは、主要設備が集まる第2工場で、全体の50~65%が焼失し、復旧には数か月を要する見通しです。
クムホタイヤの光州工場は、韓国のタイヤ業界第2位の企業による国内最大規模の生産拠点であり、1日あたりおよそ3万3000本、年間でおよそ1600万本のタイヤを生産しています。
これは、国内生産量のおよそ6割、海外輸出向けのおよそ4分の1に相当し、生産の中断による経済的損失は数千億ウォン、日本円で数百億円に上る見通しです。