警察は、「中国のスパイ99人が韓国の選挙に介入した」とする虚偽の報道を行い、選挙管理当局の業務を妨害したとして、インターネットメディア「スカイデイリー」の記者に対し、業務妨害の疑いで逮捕状を請求しました。
ソウル警察庁によりますと、この記者は今年1月、「去年12月3日に非常戒厳が宣言された当日、中央選挙管理委員会に投入された戒厳軍が委員会の研修施設で中国人スパイ99人を拘束。戒厳軍はアメリカ軍と共同作戦を行い、99人は沖縄のアメリカ軍基地に移送され、韓国の選挙に介入したと自白した」とする記事を配信しました。
この報道に対して、中央選挙管理委員会と韓国駐留アメリカ軍司令部は直ちに否定し、選挙管理委員会は警察に捜査を依頼していました。
また、虚偽情報の情報源とされた人物が、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の支持者である42歳の男性であることも明らかになりました。この男性は自らを「アメリカの情報筋」と名乗って記者に虚偽の情報を提供したとされています。さらに、この男は過去に中国大使館や警察署で暴れるなどの騒動を起こしており、すでに拘束・起訴され、裁判を受けています。
今回の虚偽報道は、韓国の一部の極右保守系勢力が主張してきた「中国による選挙介入説」を反映した内容で、これらの勢力は最大野党「共に民主党」が勝利した去年の総選挙についても「中国の関与があった」とする陰謀論を繰り返してきました。