次期大統領候補の中で最も高い支持率を獲得している革新系の最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)前代表が、大統領任期の4年重任制度と決選投票制度の導入、国務総理の国会推薦制度などを含む憲法改正構想を発表しました。
李前代表は「大統領の権限は分散し、責任は強化しなければならない」としたうえで、大統領の任期を4年で2期までとすることで、政権に対する中間評価ができるようになり、政策の連続性も確保できると主張しました。
李前代表は、1期5年で重任を認めない現行の制度がもたらした権力の集中と責任回避の問題を解決するとしています。
また、1回の投票で決着がつかない時に、上位の候補に絞った上で再度投票を行う決選投票制を導入することで社会的対立を解消することを提案したほか、国会が国務総理を推薦することで、政党間の協力を図ることを目指すと主張しました。
さらに、李前代表は、「非常戒厳」宣言の際には国会の事前承認を受けることを義務付け、「突然『非常戒厳』宣言が行われることがあってはならない」と強調しました。
李前代表は、「この機会を逃してはならない」としたうえで、国民の合意に基づく段階的な憲法改正が必要だと述べ、憲法改正に向けた国民投票を2026年の地方選挙、または2028年の総選挙で実施することを提案しました。
韓国は1948年に大韓民国憲法が公布されて以来、これまで9回の憲法改正を行いました。1987年の最後の憲法改正以降は政党間の意見の対立により、一度も憲法改正が行われていません。
これまで行われた憲法改正は、その多くが独裁政権の権力の維持や強化を目的としていたため、憲法改正をめぐる今回の議論は、民主主義の強化と権力構造の再編に焦点があてられていることに大きな違いがあります。
最近の世論調査でも、多くの国民が憲法改正の必要性に共感していることが明らかになっていることから、次期政権で憲法改正が実現するか、またどのような形で改正が行われるか、今後の動きに関心が集まっています。