来月3日に投開票が行われる韓国の大統領選挙の公式選挙運動が今月12日、スタートしました。
非常戒厳を宣言した尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の罷免に伴う大統領選挙で、公式選挙運動期間は、今月12日から来月2日までの22日間です。
今回の大統領選挙は、世論調査で安定的に1位を維持している革新系の最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)前代表と、保守系の与党「国民の力」の金文洙(キム・ムンス)前雇用労働部長官、保守系の「改革新党」の李俊錫(イ・ジュンソク)前代表の三つ巴の構図となっています。
今回の大統領選挙での最大の焦点は、支持率が50%前後とされる李前代表の優勢を崩すことができるかどうかです。
李前代表は12日午前10時、ソウル・光化門(クァンファムン)を「市民による革命」を象徴する空間と位置づけ、選挙運動の出陣式を行いました。出陣式で李前代表は「今回の選挙は、『共に民主党』と『国民の力』の対決ではなく、内乱を起こして国を崩壊させた巨大な既得権との闘いだ」として、非常戒厳を宣言した尹前大統領と同調した勢力への対決姿勢を鮮明にしました。
その後、京畿道(キョンギド)城南(ソンナム)市の板橋(パンギョ)や華城(ファソン)市の東灘(トンタン)、中部の大田(テジョン)市など、韓国の主要産業都市を巡り、「国の成長エンジン」に据える構想を示す予定です。
一方、「国民の力」の金文洙前長官は、選挙運動初日の12日午前5時にソウルの可楽(カラク)市場を訪れ、国民経済の回復を強調しました。金前長官は、「韓国を豊かにできるのは、『国民の力』だけだ」として「企業に優しい国」と「雇用創出」を第1号の公約として掲げました。
続いて、国立墓地の大田(テジョン)顕忠院と、保守の本拠地である大邱(テグ)の西門(ソムン)市場を訪れ、労働運動家出身という強みをアピールし、保守と中道層に支持を訴える方針です。
「改革新党」の李俊錫前代表は、全羅南道(チョルラナムド)麗水(ヨス)の国家産業団地を皮切りに、ソウル・西大門(ソデムン)区の延世(ヨンセ)大学と清渓(チョンゲ)広場で遊説を行う予定です。
大統領選の候補者登録は、今月10日から11日までの2日間行われ、合わせて7人が登録を完了しました。
候補者番号は、李在明前代表が1番、金文洙前長官が2番、李俊錫前代表が4番、「民主労働党」の権英国(クォン・ヨングク)代表が5番、「自由統一党」のク・ジュワ氏が6番、無所属の黄教安(ファン・ギョアン)元国務総理が7番、無所属のソン・ジンホ氏が8番です。