大統領選挙の候補者登録が10日から始まりますが、与党「国民の力」の執行部と党の公認候補の金文洙(キム・ムンス)前雇用労働部長官は、無所属の韓悳洙(ハン・ドクス)前国務総理との一本化をめぐって激しく対立しています。
最大の争点は候補一本化の「時期」です。
金前長官は、「登録締め切り後の今月16日以降に一本化しよう」と提案しているのに対して、党の執行部は、11日までに一本化を済ませたい考えです。
11日は候補者登録の締め切りで、この日を境に選挙での「候補番号」や「選挙費用の支援」が変わってきます。
「国民の力」の候補番号は、国会の議員数から「2番」となっていますが、仮に金前長官の提案通り、金前長官と韓前国務総理がそれぞれ登録して選挙活動を開始すれば、金前長官は「2番」、韓前国務総理は「無所属」となります。
この場合、登録後に一本化しても、韓前国務総理は「2番」を受けることができません。
党の執行部としては、候補者登録の締め切り前の11日までに一本化すれば、2人のうちどちらに決まるのでも「2番」を獲得することができるため、締め切り前の一本化を望んでします。
金前長官が、「まず各自1週間活動し、そのあとに一本化しよう」と提案したのは、自らが有利な立場を築こうとする狙いがあるとみられます。
また、世論調査で韓前国務総理に支持率で劣っていることも背景にあるとみられています。
これに対して、韓前国務総理は「11日までに一本化できなければ、候補者登録をしない」と明言し、背水の陣を敷いています。
また、選挙費用の問題も重要な要素です。
韓前国務総理が無所属で出馬する場合、党からの選挙資金の支援を受けることができなくなります。
中央選挙管理委員会によりますと、今回の大統領選挙の選挙費用の上限は588億5281万ウォンとなっていて、無所属候補は、党からの支援も受けられずに、候補1人当たり最大で500億ウォン台と言われる金額が必要になってきます。