韓国国防部は、「父母の日(オボイナル)」の5月8日、韓国戦争で戦死した軍人の顔を遺影写真として復元し、遺族に手渡しました。
国防部の遺骸発掘鑑識団と国立科学捜査研究院は、韓国戦争の戦死者の顔を遺影写真として復元する事業を進めていて、その初めての事例を公開しました。
復元されたのは、2013年に江原道(カンウォンド)東海(トンへ)市で発掘され、去年10月に、238番目に身元が確認された、韓国陸軍第1軍団第9歩兵師団所属の故ソン・ヨンファン一等兵です。
頭蓋骨などの遺骨をもとに生前の顔を復元し、制作した遺影は、一人娘の76歳のソン・ジェスクさんに手渡されました。
ソンさんは、この事業を通じて、初めて父の遺影の前にカーネーションを供えることができました。
ソン一等兵は、1950年12月に入隊しましたが、翌年の3月17日の旌善(チョンソン) の戦闘で戦死し、花郎(ファラン)武功勲章が授与されました。
当時、娘のソンさんはわずか3歳で、父の写真も残されていなかったため、今回の事業に申請していたということです。
遺骸発掘鑑識団は、「殉国者の生前の顔を復元することは、命を懸けて国を守った方の名誉を称えるとともに、遺族の悲しみに寄り添う取り組みでもある。今後も国立科学捜査研究院と緊密に連携して、韓国戦争の戦死者の顔の復元に努める」としています。